光と風のなかへ & 追憶の鉄路

追憶の鉄路 北辺の蒸気機関車 01






車窓から見えた小高き丘

あそこなら知床が綺麗にはいる

うまくすれば斜里岳も写せるかもしれない

そう思ってぼくは線路端をてくてく歩き

めぼしをつけていた丘に向かった


1972年のクリスマスイブ

雪は少ないが 風はとても冷たい

凍った雪の斜面をよじ登り あたりを見渡す

左手にオホーツク海 正面に知床の海別岳 右手には斜里岳

思った通り そこには北海道の雄大な景色が広がっていた


ぼくはただちに三脚をセットして立ち位置を決めた

しかし冷たい風で急速に体温が奪われていく

はやく来てくれ!

ぼくは からだを動かしながら体温の回復をはかった

しかし からだが震えるのは 寒さだけではないのだろう

この場所には長く留まりたくない理由があるのだ


やがて彼方にあがる一筋の煙

ぼくはシャッターと巻き上げレバーに指をかけて

丘の影から汽車があらわれる瞬間を待った


来た! 白煙もそのままだ

ぼくは寒さと怖さを忘れて 夢中でシャッターを切り始めた




蒸気機関車 釧網本線

この写真はクリックすると拡大します



C58 400番台
釧網本線 斜里~止別
1972年(昭和47)12月24日


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テーマ:鉄道写真 - ジャンル:写真

  1. 2012/02/17(金) 22:25:18|
  2. 追憶の鉄路 C58
  3. | コメント:8
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コメント

ごめんなさい・・・何が怖かったのかちょっと解らなかったのですが?
  1. 2012/02/18(土) 13:40:33 |
  2. URL |
  3. mack #JalddpaA
  4. [ 編集 ]

mackさんへ

コメントありがとうございます (^^)

今回は「北辺の蒸気機関車」の01。
怖かった内容は、このあとの02以降で明らかになっていきます(^^)
ホントに怖かった、というよりも、とても気味が悪い光景でした ^^;
  1. 2012/02/18(土) 18:06:06 |
  2. URL |
  3. まこべえ #2XsKFzVg
  4. [ 編集 ]

とっても素敵な写真ですね!!!
モノクロが,ものすごく効果的な気がします。
こんな素敵な写真を,中学生の時に写したなんて・・・。
北海道の大自然の素晴らしさもあるんでしょうけれど,やっぱり写し手の感性と根性ですね。

ところで,ヒグマでもいたんですか?
  1. 2012/02/18(土) 20:08:38 |
  2. URL |
  3. chibi #-
  4. [ 編集 ]

chibiさんへ

chibiさん、はじめまして(^^)

写真をお褒めいただき、ありがとうございます。
モノクロのほうが蒸気写真には似合っていますね。
と言いたいところですが、実は当時はカラーは高価だったので、貧乏少年には気軽に使うことは出来なかったのです ^^;
ちなみにこれを撮影した時は高校2年生でした。
中学生の頃と比べると、ちょっぴり腕もあがって、カメラもよくなりました(^^)
それでもまだまだ未熟な写真を連発していました。
これも雄大な景色に助けられて撮った一枚ですが、感性はともかく、根性だけはありました!
ジュラルミンのカメラバックに大きな三脚を持って、何キロも歩けたのですから、いま振り返っても驚きです。
おかげで、その根性、この頃に全部使い果たしてしまい、いまでは、かけらも残っていません ^^;

ヒグマは、このあたりはいませんが、北海道は生息地ですから、近くにいたかもしれませんね。
冬は冬眠中なのでさほど心配はしませんでしたが、夏場は携帯ラジオをつけっぱなしにするなど、それなりに注意して撮影していました。
おかげで本物にはめぐりあいませんでしたが、ここではちょっと気味が悪い経験をしたのです。
そのお話は、続編で追々紹介していきますね。
  1. 2012/02/18(土) 21:09:44 |
  2. URL |
  3. まこべえ #2XsKFzVg
  4. [ 編集 ]

新シリーズ

なんか、今回のシリーズは今までとはまた違った期待感を感じさせてくれますね。次回以降も楽しみにさせていただきます。
  1. 2012/02/19(日) 10:47:14 |
  2. URL |
  3. 楓ちゃん #-
  4. [ 編集 ]

楓ちゃんへ

コメントありがとうございます (^^)


>違った期待感

いやあ、そんな期待感もたれるほどの話ではないんです ^^;
ただ、ちょっと不気味な世界だったので、一枚目の写真の時はあえて避け、これ以降の連写シリーズのなかで取り上げていこうと思います。
でも、ホントに不気味な世界なので、あまり期待しないでください(^^)
いま考えると、なんで写真に撮らなかったのかと悔やまれますが、当時はそんな気分にもなりませんでした。

追伸
二重投稿、お気にならないでください。
私も、たまにやります。
すぐに反映しないので、あれ、と思ってやってしまんですよね。
  1. 2012/02/19(日) 15:28:03 |
  2. URL |
  3. まこべえ #2XsKFzVg
  4. [ 編集 ]

釧網本線のC58・新シリーズ①

今回からは、1972年12月、知床連山をバックに入れてC58を撮影するために、釧網本線の止別-斜里間の小さな丘陵地帯まで行かれた時の写真のシリーズなのですね。
C58の背景に見える知床連山の峰々は、本当に迫力があります。ただ、この付近からは、知床連山の最高峰である羅臼岳は、あまり良く見えませんでしたよね。

蛇足ですが、写真の左側に見える海は、太平洋ではなくてオホーツク海ですよ(笑)。
これは、12月に撮影された写真ということなので、流氷の接岸前ということになりますが、オホーツク海の海原も、真冬の厳しい表情を見せていることが、この写真からも伺えます。


このシリーズのPART2で、「黒い丸い物が点々としている場所で、C58が来るのを待つことになるのか」と書いておられますが、ヒグマの糞でないとすれば、果たして、何なのでしょうかね。
よく、道東方面において、「走行中の列車がヒグマやエゾシカなどを刎ねた」という事故の発生がニュースとして取り上げられることが、現在では頻繁でありますが、この当時でも、走行中の蒸機牽引列車が、ヒグマやエゾシカを刎ねたという事故が、時として実際に発生していたのでしょうか。
  1. 2012/02/19(日) 22:02:03 |
  2. URL |
  3. 荒野の素浪人 #rTSe1jAk
  4. [ 編集 ]

荒野の素浪人さんへ

コメントありがとうございます (^^)

そうでした! オホーツク海でした!
太平洋の縁海でしたね。
私としたことが、小学生的な間違いを犯してしまい恥ずかしい ^^;
ご指摘、ありがとうございましたm(_ _)m
早速、訂正しました。

予定では、比羅夫の続編をアップしていこうかとも思ったのですが、稚拙な写真が続いてはあきられると思い、ほんの少しレベルアップした頃の写真にかえてみました。
黒いもの(丸くはないんです)は、ヒグマの糞ではありません。
真冬ですから、いたとしても冬眠中です。
命にかかわるようなものではありませんが、とにかく不気味な世界だったんです。
しかし、思わせぶりな書き方をしてみなさんに期待をもたせ、なあんだと言われたらどうしよう。
あんまり期待しないで次回の話をお待ちくださいね ^^;
  1. 2012/02/19(日) 22:30:36 |
  2. URL |
  3. まこべえ #2XsKFzVg
  4. [ 編集 ]

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