光と風のなかへ & 追憶の鉄路

140年目の「鉄道記念日」






10月14日は 鉄道が開業してから140年目の「鉄道記念日」

最初の鉄道は 新橋~横浜(現在の桜木町)間を53分で走った




青梅鉄道公園 110形 2120形
左側の110形機関車は 日本で最初に走った機関車のうちの1両 右は明治後期の代表的な機関車 2120形 青梅鉄道公園




日本の鉄道開通を語る上で

大隈重信と伊藤博文がはたした役割は とても大きい

当時 二人は 大蔵省の次官と局長クラスの地位にあった

彼らは 全国各地に鉄道を建設すれば

地方ごとに割拠する江戸時代までの体制を打破し

中央集権制を強化できると考えた


のちに大隈重信は こう回顧している


この封建を廃することが必要である

郡県の下に全国を統一することが

必要であると云ふ議論をいたし(中略)

これを廃して全国の人心を統一するには

この運輸交通のかくの如き不便を打ち砕くことは必要である

また封建的割拠の思想を打ち砕くには

余程人心を驚かすべき事業が必要であるから

これに向って何か良い工夫がないかと云ふ考えの起っている時に

この鉄道の議論を聞き 是等が動機となって

何でも鉄道が一番良いと云ふことになって

それから鉄道を起すと云ふことを企てましたのでございます

(日本国有鉄道『日本国有鉄道百年史 通史』)



しかし当時 鉄道は異国の魔術として忌み嫌われていた

鉄道に莫大な資金を投入することにも反対が強かった

鉄道を建設する それだけで暗殺の危険もあった


それでも大隈と伊藤は 鉄道建設に国の発展を賭けた

これまで長く続いた地方の独自性を否定して中央集権化を強化するために

そして 人々に中央政府としての明治政府の存在を強くPRするために

なにかみんながあっと驚くような一大イベントが必要だった

それは鉄道建設しかないと心に決めた二人は

工部大輔だった木戸孝允の支持も得て建設に着手した


こうして明治3年(1870)3月から 新橋~横浜間の測量を開始し

横浜港にレールなどを陸揚げして 線路の敷設がはじまった

翌年5月7日 品川~横浜間がまず開通し

蒸気機関車が小さな客車を牽く 試運転がはじまった




110形機関車 青梅鉄道公園
110形 蒸気機関車




8月6日 その試運転の列車に乗車した木戸孝允は

これまで何度も訪れた建設中止の危機をふりかえって

この日 日記に 感慨をこめて こう記した


今日成功の一端を見るに足る 喜びに堪えず

神州蒸気車の運転 今日に始れり



続く9月20日には 新政府の実力者大久保利通が乗車する

大久保は はじめ鉄道には懐疑的だったが

横浜から川崎まではじめて鉄道の旅を体験し

その思いを日記にこう記した


三字(時)より蒸気車にて川崎迄三十分の間に着す

始めて蒸気車に乗り候ところ 実に百聞一見に如かず

愉快に堪(たえ)(たえ)ず この便(べん)(べん)を起さんずば

必ず国を起す能(あた)はざるべし


鉄道を興さなければ国は興せない!

鉄道は大久保の心にも強い感動を与えたのだ


こうして日本で最初の鉄道は 明治5年5月7日

品川と横浜をむすぶ仮開業という形ではじまった

1日2往復 所要時間はノンストップで35分であった


ついで6月5日 川崎駅と神奈川駅を開設し

本数は6本に増えたが 所要時間は40分にのびた

当時は単線だったので 川崎ですれ違いをおこなったため

所要時間が5分 のびてしまったのだ


こうした仮開業をへて 3ヶ月後の明治5年(1872)9月12日

新橋~横浜間をむすぶ正式の開業日を迎えたのである

営業運転は 翌13日からスタートした

ここに日本の鉄道は その第一歩を歩み始めたのだ




新橋停車場跡に保存されている線路
旧新橋駅舎跡に保存されている開業当時の線路と復元された0キロポス




きょうはこの140年を記念して 各地でイベントがおこなわれた

そのなかで 何よりも嬉しいニュースは

調子が悪かった梅小路蒸気機関車館のC62の2号機が復活したことだ

巨大な蒸気機関車 C62(シロクニ)は ぼくの青春そのものだった

何度 その勇姿に会いたくて 北の大地に渡っただろうか

元気になったシロクニに 早く会いたい




蒸気機関車 函館本線
夕闇迫る早春の上目名をC62の重連でかけのぼる急行「ニセコ」3号 103レ この写真はクリックすると拡大します

1971年(昭和46)3月25日 撮影





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  1. 2012/10/14(日) 23:28:08|
  2. 鉄道のある風景
  3. | コメント:0
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