光と風のなかへ & 追憶の鉄路

「慰霊の日」は「沖縄終戦」ではない






6月23日の空




曇りがちな時間もあったが 青空が広がった6月23日

70年前の沖縄も 同じような天気だったのだろう

米軍第10軍G2Reportに「晴れ 時々曇」とある

きょう沖縄は 「慰霊の日」を迎えた


ニュースでも「組織的な戦闘が終結した日」と報道されている

これは 牛島中将の自決が23日とされてきたことに由来するものだが

牛島中将の自決の日は 第10軍G2Reportによれば

「6月22日午前3時40分」と記載されている

この日 陸軍省と参謀本部も「沖縄終戦ニ伴フ報道」の協議にはいり

省部の見解をまとめて 海軍と内閣に連絡している


実は 沖縄でも1964年までは 6月22日が「慰霊の日」だった

これは米国統治時代の琉球立法院において制定された

「住民の祝祭日に関する立法」(1961年立法第85号)に基づく

ところが1965年4月21日 突然改正され 6月23日に改められた

このときの立法院会議録(1965年4月9日 沖縄公文書館蔵)

「住民の祝祭日に関する立法の一部を改正する立法案」によると

根拠とされたものは「実録太平洋戦争」など いずれも戦後に記されたもので

史料としての価値は 米軍の戦闘記録よりもはるかにり劣る

それにもかかわらず 一部の者の手によってかえられてしまったのだ


このように 6月23日は 組織的な戦闘が終わった日ではない

先日も書いたように 米軍は6月21日午後1時5分をもって

「沖縄の組織的抵抗は終了」との認識をもっていた


しかし「慰霊の日」を考えるうえで 22日か 23日かは たいした問題ではない

重要なことは 6月23日をすぎても 散発的とはいえ 戦いが続いていたことだ

第10軍G2Reportから数例を紹介しよう

6月25日 日本軍の斬り込み攻撃が続く 日本兵186人が戦死

6月27日 夜間 斬り込み攻撃の結果 日本兵33人が戦死

6月28日 夜間 斬り込み攻撃の結果 日本兵20人が戦死

6月30日 日本兵27人が切り込むが 戦死


このように23日以降も 日本兵は抵抗を続けていた

こうしたなか6月26日には久米島に米軍が上陸する

そのなかで29日 久米島の日本軍によって住民9人が刺殺された

8月18日にも3人 20日にも8人が日本軍によって殺されている

6月23日を「慰霊の日」とすると こうした事実がみなすべり落ちてしまう


米軍が「沖縄戦終了宣言」を出したのは 7月2日だ

各地に残っていた守備隊が米軍の説得に応じて投降し

正式に降伏文書に調印したのは

敗戦から3週間以上たった9月7日のことだった

これが沖縄戦の終戦の日だった

したがって 慰霊の日は 7月2日か 9月7日こそがふさわしい

沖縄線の終結という誤ったイメージも広まっているので

県は検討を重ねて 早急に日程を改めるべきだろう




FUJIFILM X20
2015.6.23.撮影

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  1. 2015/06/23(火) 23:14:40|
  2. カメラ日記
  3. | コメント:2
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コメント

沖縄の悲劇

こちらで、沖縄戦のことを読ませていただくと、これまで思っていた以上に、悲惨な戦いであったと感じます。
沖縄の人は、アメリカ軍と戦い、時には味方であるはずの日本軍にも裏切られ、本当に厳しい戦争を経験されたのだと思います。
二度とこういう経験をしなくていいように、政治が導いていってもらいたいものです。
  1. 2015/06/24(水) 22:02:40 |
  2. URL |
  3. 枯れ鉄 #-
  4. [ 編集 ]

枯れ鉄さんへ

枯れ鉄さん、コメントありがとうございます (^^)

今年は、戦後70年ということもあって、授業でも沖縄戦を重点的に取り上げています。
今回、ここで紹介した記事は、そのうちのほんの一部ですが、沖縄戦は、明治以降の日本の侵略戦争がゆきついた最後の大きな戦いであり、現在の基地問題を考える上でも、また本土のために沖縄が犠牲にされている構造を考える上でも、とても重要な戦争だと思います。
だからこそ沖縄戦は、過去の出来事ではなく、今を考えるために、繰り返し取り上げられ、問われてきたのでしょう。
しかし、勝者となった米軍にも、戦闘に疲れて精神を病んだものが続出し、米国陸軍省の記録では、海兵二個師団で6315人、陸軍四個師団で7762人もいました。
戦争は、敵も味方も傷つけて、何も得られるものはありません。
命の重みは、敵も味方も同じです。
だからこそ為政者には、戦争を起こさない強い決意をもって、慎重に政治に取り組んでもらいたいものですね。
  1. 2015/06/25(木) 00:07:59 |
  2. URL |
  3. まこべえ #2XsKFzVg
  4. [ 編集 ]

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