光と風のなかへ & 追憶の鉄路

矢穴と勾配 丸亀城 04






各地の近世城郭を訪れると 石材に矢穴を残す石垣に出会う

矢穴とは 巨石を割るために使用する楔形の鉄製品=矢を入れるための穴のことだが

この穴 時代によって長さや深さ また形が微妙に違う



丸亀城 矢穴



中世は長く 1590年代は4寸 元禄以降(17世紀末)は3寸と

時代が下るなかで 少しずつ短くなっていく傾向が見られる

矢穴ひとつにも 時代の変化が読み取れるのだ



丸亀城 矢穴



そもそも石材を 切り出し 運び 積むといった一連の作業は

電動ドリルもクレーンもなかった時代 莫大な手間と時間がかかった

その最初の仕事が 矢穴をあける作業であり

一日作業量は 20個から30個ぐらいか

しかも 石の目に沿って打ち込まなければ 石は砕け散る

石垣の構築は かくもたいへんな仕事だったのだ

ましてや美しい勾配を作りだすことは至難の業



丸亀城



その技術や数値は機密事項とされ 乱数表と口伝のみで教授された

基本的には 設計図上の角度を基に 石を積上げていく方法や

少しずつずらして石材を積み上げて 罫書線に沿って削り整えていく方法などがあったが

丸亀城の石垣のなかには 罫書線はつけたものの なぜか削らなかった石垣もある



丸亀城



写真の搦手側(南側)の石垣もそのひとつだが 写真だとわかりにくいため

矢印を書き込んだが 斜めに線刻された罫書線 わかるだろうか



丸亀城 罫書線



ちなみに 丸亀城の石垣には刻印は少ないが 「田」と刻印したものもある



丸亀城 刻印「田」



城というと天守ばかり注目されるが 石垣を観察しながら歩けば

城の見学は もっと楽しくなるだろう




Panasonic GX8
2017.2.22. 撮影


関連記事

テーマ:旅の写真 - ジャンル:写真

  1. 2017/03/06(月) 00:40:54|
  2. 旅日記 香川県
  3. | コメント:0
<<丸亀城 05 三之丸東石垣 | ホーム | 石垣の美 丸亀城 03>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する